天然香料 基礎知識

天然香料の取り扱いの基礎知識。メリット・デメリットを解説。

Last Updated on 2025年10月27日 by top-note

生活の木や無印良品で10ml瓶で様々な精油が販売され、単品の香料をブレンドしてアロマストーンやアロマディフューザーなど各々好きな方法で香りを楽しまれている方が沢山いらっしゃるかと思います。
香料の中でもとりわけ天然香料にフォーカスして、取り扱いについての基礎知識を説明したいと思います。

FUWARIの香りは基本的に合成香料が中心ですが、25年12月頃に天然100%の香りを2種類リリースする予定です。リリースを前に予備知識として、天然香料に関する情報をまとめました。

香料の数はどれくらい?

アロマ持続期間

その中から目的やイメージに合う香りを選び、微妙に調整していくのが調香師の仕事です。
まさに、科学と芸術の融合といえる作業です。

天然香料と合成香料の分類


多様な植物性香料の魅力

ローズ

天然香料の中でも、大きく動物性と植物性の2つに分かれますが、動物性はほぼ市場で出回っていない為、私たちが普段使用するのは植物性です。
植物性香料は、約1,500種類以上の植物から得られます。
同じ植物でも気候、産地、育つ環境によって同じ種類の香料でも成分が異なります。

たとえば、ジャスミンの場合、フランス、エジプト、モロッコ、インド、中国で栽培されていますが、栽培地によって気候、土壌、日照時間、収穫時期などが異なる為、花に含まれる芳香成分のバランスが各栽培地によって異なります。

成分が少しでも異なると、香りの印象は変わってくるので、常に同じ香りを求めるのは難しいです。
自然のものであるが故に、香りの成分が一定ではなく、価格についてもその年の収穫高や需要によって変動します。

コストを抑える為、天然香料だけで調香する際によく使われるテクニックとして、高価な天然香料を似た成分の他の天然香料で代替するという方法があります。
例えば、ローズの精油は高価ですが、香り成分が似ているゼラニウムに一部を置き換える場合があります。ただし、ローズの代替としてゼラニウムの配合量が多すぎると、ゼラニウムらしさが強くなってしまうので、要注意です。

天然は安全?合成は危険

安全

「天然=安全」「合成=危険」と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。
IFRAという香料業界の国際組織で、安全性を担保するための自主規制を定めています。シャンプーやリップ、芳香剤など各製品カテゴリーごとに配合してもよい各香料の成分の上限量を定めています。

天然香料といっても沢山の成分から成り立っています。各成分の合計が使用したい商品(製品カテゴリー)に対して、IFRAが定めた基準以内に収まっているか計算する必要があります。

例えば、柑橘系の精油に含まれるフロクマリン類、ユーカリに含まれる1,8-シネオール、シナモンなどに含まれるクマリンなどを大量に接種してしまうと、体に光毒性、肝毒性、腎毒性を引き起こしてしまいます。

大切なのは、天然か合成かではなく、成分を理解して正しく使うことなのです。


天然香料の注意ポイント

アロマ劣化

天然香料は紫外線と温度管理が重要です。
急激な温度変化は香料の成分を変化させるリスクを高める為、一定して15℃〜20℃程度の温度が保てる場所がお勧めです。

柑橘系に含まれるシトラールという成分は紫外線に弱く、酸化しやすい為、遮光瓶など光に当たらない器での保管が必要です。


天然香料を学ぶなら

AEAJグリーンテラス

参考記事

天然香料に関する他の記事については下記をご参照下さい。

トップノート 西久保


記事の監修者
西久保大輔 / 株式会社トップノート 代表取締役

2009年に海外製業務用アロマディフューザーを取り扱う株式会社カオリメゾンを設立。
2022年に株式会社トップノートを設立。
看板商品の業務用アロマディフューザーFUWARIは事業開始から約3年で累計2,000台以上の導入実績を持つ。

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