エッセンシャルオイル

植物、動物がなぜ香りを発するのか?天然香料が果たす役割を解説

Last Updated on 2025年5月6日 by top-note

自然界における香りとはどんな役割があるのでしょうか?
主には2つです。命をつなぐ為と命を守る為です。

自然界の香り成分を抽出したものが天然香料です。天然香料には動物性と植物性があります。

動物性の天然香料とは?

主な動物性の天然香料は下記の4つです。

ムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリスです。

ムスク(ジャコウジカ)、シベット(ジャコウネコ)、カストリウム(ビーバー)は異性を誘引する為に生殖器付近から独特な香りを発します。
つまり、命をつなぐ為に香りを発します。

「ムスク」というと聞き馴染みがあって、少し甘くてパウダリーな香りのイメージを持つ方もいるかもしれませんが、本物のムスクはアンモニア臭や獣臭がかなり強い為、希釈をして使用します。
シベットやカストリウムも同様に肛門付近から採取される香料の為、本物は糞便臭がするようです。


*動物性香料は希少性が高く、IFRA(香料業界の自主ルール)やワシントン条約で取引が規制されてしまったので、実際には目にかかることがほぼないです。
動物性香料の代わりとして合成香料が使用されています。

部位ごとの植物が香りを放つ理由とは?

植物性香料を見てみると、部位ごとに香りを放つ役割が異なります。

花

1、花

香りで受粉の手助けをしてくれる虫を招き入れ、蜜を与え受粉の媒介をさせます。
一例:ローズ、ジャスミン、ライラック、イランイラン

果物

2、果実

色と香り(熟れて美味しそうな香り)で動物や鳥をよび寄せ、食べさせることにより種子を遠くに運ばせます(種子の殻は固いので、消化されずにフンの中に残される)。果実(皮)から採ることができる精油については、採算性の観点から柑橘系のみです。
一例:スイートオレンジ、グレープフルーツ

葉

3、葉・根

食害する害虫などに対して嫌う香りを放出します。また天敵となる虫を呼びます。
一例:ティートゥリー、プチグレン(オレンジの葉や木)、ベチバー(ベチベル草の根)

幹

4、木・樹脂

木内部へ侵入してきた食害虫や病原菌を外部へ追い出すため嫌がる香りを放出します。
産卵を妨げる成分が含まれる香りをつくられます。
傷ができたときは、傷口から病原菌の感染を防ぐために傷口をガードします。
一例:ヒノキ、フランキンセンス、クロモジ

まとめ

まとめると、花や果実は命をつなぐ為、香りを発します。花は受粉をするために虫を誘引するので、精油の効能としても、ジャスミンやイランイランには催淫効果があります。

葉・根・木は自分の命を守る為に、香りを発します。したがって、それらの部位から採れる香料は共通して抗菌、防虫、鎮静といった効果があります。

トップノート 西久保


記事の監修者
西久保大輔 / 株式会社トップノート 代表取締役

2009年に海外製業務用アロマディフューザーを取り扱う株式会社カオリメゾンを設立。
2022年に株式会社トップノートを設立。
看板商品の業務用アロマディフューザーFUWARIは事業開始から約3年で累計2,000台以上の導入実績を持つ。

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